ふたりが、同じ未完の瞬間についてそれぞれ書く。双方の準備が整ったとき、カードは初めて開かれます。隠れていた版が、初めて互いに近づく機会を持ちます。
あの夜
既読になったのを見た。その二文字は、そっと閉じられた扉のようにそこに残っていた。
返したくなかったわけじゃない。あの夜、返事を三度書いて、三度消した。口を開いたら重く言いすぎてしまいそうで、もうずっと乱れていた自分を見られるのも怖かった。